防災士が推奨!関西ポラコン流「防災のススメ」
地震対策で最も大切なこと。それは「心構え」の一言に尽きます。では「心構え」とは具体的に何を指すのか?実際に何をすれば良いのか?その疑問にお答えします。
防災・減災の基本は「自助」です。都市部での災害は「公助・共助」ではとても間に合いません。
平成28年度の東京都(全域)での救急車338台、消防車673台です。何千人と被災し、道路も渋滞している
ときにあなたの家に救助にきてくれるのは、どれくらい時間がかかるのでしょうか?
具体的に「心構え」とは「自分(家族)の身は自分で守る」というあなたの決意を指します。
- 知識を情報収集し、家族で共有する
- 対策方法を箇条書きにし、選択する
- 対策方法を実行にうつす
上記の3項目について、実際に何をすれば良いのか解説していきます。
1次被害対策の知識(発災の瞬間から命を守るために)
持家でも借家でも同様にすすめてください
1.築年数を調べる
新築時の工事契約書、図面・賃貸契約書に記載している場合があります、最寄りの法務局で建物の登記簿謄本を入手する方法もあります。下記のA~Cで分かる場合は調べなくて結構です。
A.昭和56年6月以前
B.昭和56年6月以降、平成12年6月以前
C.平成12年6月以降
2.地盤の強さを調べる
同じ震度でも、地盤が弱い場合、大きな被害があります。「地盤マップ」で検索するといくつかの無料サイトがありますので、自宅の地盤の強さを調べてみましょう。
3.家具や家電の配置を調べる
発災時は、家具の下敷き、出入口を塞いで避難できない、家電製品が飛んでくる等、さまざまな事故が起こる可能性があります。特に生活時間が長い寝室や居間を中心に安全かどうか検討しましょう。
※用紙にはどの部屋の何をどうする(配置換え、固定する、捨てる)のか記入してください。
4.避難経路を検討する(屋外まで)
発災時は、家の重みで扉が開かずに閉じ込められたり、ガラスの破片で足を怪我したりする等、屋外にでるまでに、さまざまな障害が生じます。自宅でどういう可能性があるか書き出してみましょう。
※可能性を全て記入してください。
5.安全確保の知識
緊急地震速報が鳴ったら、固定されているものにつかまる、危険なものから離れる、身を守る姿勢をとる(落下物から身を守り、特に頭を保護する)、大声を出さない(粉じん・チリ・ほこり等から喉を守るため)、という行動が原則です。
※自宅の中で、つかまれるものは何か?危険なものは何か?用紙に記入してください。
6.電気ブレーカーの知識
電気ブレーカーの場所は、家族全員が把握しておきましょう。
※用紙には電気ブレーカーの位置のみ記入してください。
7.高齢者、乳幼児、妊婦さんペット等が家族にいる場合
※ここでは1次被害のみ(発災の瞬間から命を守るために)に的をしぼり、どういう対策が必要か用紙に
記入してください。
2次被害対策の知識(揺れがおさまってからの行動)
1.身の回りの確認
まずは自分の状況(ケガや骨折、出血がないか)を確認しましょう、足元に注意しながら移動し、自宅内の家族の状況や、携帯電話やテレビによる情報の入手(災害の規模や被害状況)をおこないます。
2.通電火災の知識
地震による停電のあと、電気が復旧した際に、家電製品やコードがショートして火災が発生することがあ
ります、後記の対策を取るか、屋外に避難する前にブレーカーの主電源を必ず落としましょう。
3.ガスの知識
ガス元栓は震度5以上で自動停止します。揺れがおさまる前に、火を消そうとして動く方が危険だということを覚えておいてください。揺れがおさまった後に、火元の確認をし、火災が発生していたらすぐに初期消火をします。
4.屋外に出るタイミング
地震がきたら屋外に出るというのも命を守る対策の1つです。しかし屋外は屋根瓦の落下、エアコンの室外機の落下、ブロック塀の倒壊等の危険性があります。揺れがおさまるまで自宅の安全な場所で待機するという選択肢もありますので、周囲や自宅の状況に応じて決まり事をつくりましょう。
震度6強や7になると、立っていられないので屋内の安全なスペース(三角スペース)で待機しましょう。
※自宅内の安全な避難場所はどこなのか?三角スペースの意味はネットで検索してみましょう。
5.安否確認
日中で自宅にいない家族がいる場合、安否の確認をおこないます。
※具体的な対策は下記でおこないます。
事前準備の知識(被害を最小限に抑える具体的な事前準備)
1.ハザードマップ
自治体のホームページ、もしくは直接訪問してハザードマップを入手し、お住まいの地域に津波や土砂崩れのおそれが無いか確認しましょう。
指定避難場所を把握し、避難経路を家族で検討しましょう(机上の空論ではなく、実際に歩いて古いブロック塀がないか、倒壊して道を塞ぐような家がないか確認することが最良です)
2.連絡方法
電話(固定電話・携帯電話を問わず)について、災害時にはなかなか繋がらないことがあります。
これは各電話会社が最低限の通信(警察・消防・救急)等を守るため、一般の通話を制限する状態です。
災害用伝言ダイアルやSNSを活用したり、三角連絡法、具体的な待ち合わせ方法等を決めておきましょう。
※全ての連絡方法に4つの優先順位をつけましょう。
3.食料品・水・防災グッズ・非常用持出袋・貴重品のまとめ
非常食や保存水もあるが、日常の食料品や飲み水(ウオーターサーバー)をローリングストックでストックしておくと無駄がありません。応急手当用の薬箱は準備しましょう。
※防災グッズや非常用持出袋の中身については、多種多様にありますので、家族で御検討ください、ただし
コンタクトや眼鏡、日常の薬等は忘れずに。
4.情報の管理
PCデータ等のバックアップや写真等のデジタル化はクラウドサービスの利用がおすすめです。
保存しているデータやアルバムの写真などは災害時、復元できない状況になることも考えられます。クラウドサービスを利用することで、免れることができます。
※東日本大震災では、多くの方が重要なデータや思いでの写真を無くしてしまいました。
5.資産の管理
権利書や保険証券などを自宅で保管している場合、万一、ご本人に何かあった状況になった時に資産を調べるのは一苦労です。目録化することで回避しましょう。特に最近普及してきた仮想通貨は本人でもセキュリティキーを紛失すると、現金化出来ない可能性があります。
・現預金、仮想通貨、不動産、株式等の目録作成
・保険内容の精査(生保・損保共に特約内容を含め再確認し、何がどこまで対象なのか把握する)
・資産内容の保全方法(弁護士等)
6.役割分担
高齢者、乳幼児、妊婦さん、ペット等の支援が必要と思われる方への対策、持出品の役割分担を決めておきましょう。
これで準備が整いました、家族防災マニュアルにすすみましょう。
防災への取り組み方は、各々の家庭状況や経済状況によって出来る事と出来ない事がありますが、本サイトを通じ少しでも多くの方に「心構え」を持っていただくことを心より願っております。